極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
お昼休みに入った今は、秘書室の自分のデスクで昼食のおにぎりを食べている。

それも早々と食べ終えてしまい、先日の出張でかかった経費をまとめることにした。

千紘社長は、珍しく天野室長とふたりでランチを取るため外出中だ。

行先は近くの蕎麦屋さんだと言っていた。以前、私もふたりにご一緒させていただき、一度だけ行ったことがあるけれど、鴨せいろが絶品だった。

その味を思い出していると、おにぎりを食べたばかりだというのにまたお腹がすいてきそうになる。

そんなとき、秘書室に内線が入り、私は慌てて受話器を取った。


「はい。秘書室、笹崎です」

『受付の西野です』


受付からということは、おそらく来客の知らせだ。でも、こんなお昼の時間帯にいったい誰だろう。
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