極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
『笹崎さん。社長はいらっしゃるでしょうか』

「社長は現在外出しております。お客様ですか?」

『はい。それが……』


電話の向こうで受付の西野さんの声のトーンが少しだけ低くなった気がした。


『大鷹ホールディングスの前会長がいらっしゃいまして、ついさきほど社長室へ向かわれました』

「えっ、お一人で?」

『はい。お待ちいただくよう頼んだのですが……』

「わかりました。こちらですぐにお出迎えします」


受付からの内線を切った私は、すぐに秘書室を飛び出してエレベーターへと向かった。

すると、タイミングよくエレベーターが最上階へ到着して扉が開く。そこから、着物に羽織姿の年配男性が姿を見せた。
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