極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
それにしても、千紘社長の自宅の様子は衝撃的だった――思い浮かぶのは、彼と一夜を共にしてしまった翌朝の光景。

男性の一人暮らしの家に入るのは初めてだったけれど、みんなあんなものなのだろうか。いや、きちんとできている人はもっときちんとできているはず。千紘社長が無頓着過ぎるのだろう。

彼には仕事にかける情熱を少しでいいから私生活にも回してもらいたい。仕事と私生活にかける情熱の対比はおそらく九対一……いや、十対ゼロかもしれない。

本当にあの方は、心配になるくらい私生活がおろそかになり過ぎている。


「千紘も早く結婚をして、生活を支えてくれるパートナーがいてくれたら、私も安心なんだがね」

「そうですね」


克爾前会長の言葉に、思わず深く同意をしてしまった。

孫の千紘社長を溺愛している克爾前会長からしたら、とにかく心配で仕方がないのだろう。

だからこそ頻繁にお見合い写真を持ってきて、千紘社長の結婚相手を見つけようとしている。

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