極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
だけど、そんな祖父の思いを知らない千紘社長にとって、お見合い話はうっとうしいものでしかないらしく、頑なに断り続けている。

今回は、どうするのだろう。

いつものように断るのだろうか。それとも、そろそろお見合いを受けるのだろうか。


「そうだ。秘書である笹崎くんからも千紘に見合いをすすめてみてくれないか」

「わ、私がですか?」

「ここはふたりで協力して、千紘を結婚させようじゃないか」

「えっと……は、はい」


気合い充分な克爾前会長の勢いに押されてしまって、つい頷いてしまった。

私だって千紘社長の荒れ放題な私生活を知っているから、彼には早く結婚をして家庭を持ってほしいとは思っている。

あの方には、私生活をきちんとケアしてくれる奥さんが絶対に必要だ。

そして、それは私ではない……。
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