極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「……はぁ。わかったよ。とりあえずこの見合い写真を見ればいいんだろ」


しばらくすると、うんざりするような深いため息をついて、千紘社長が見合い写真に視線を落とす。


「見るだけじゃなくて、とりあえずその中の一人と見合いをしろ」

「この中に俺のタイプの女性がいたらね」

「一人ぐらいはいるだろ。六人も揃えたんだ」

「それはどうかな」

「ほら、このお嬢さんなんてどうだ。読書が趣味いらしい。お前と一緒じゃないか。きっと気が合うぞ」

「ふーん」


克爾前会長の言葉を聞き流しつつ、千紘社長がお見合い相手の女性たち一人一人に目を通している。

あの写真の中から誰かを選ぶのだろうか。

あの日、私を好きだと言ってくれたのに……。
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