極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
できることなら片づけたい。

そう思ってはいたものの、秘書である私がそこまで千紘社長に干渉してはいけない気がして諦めていた。でも、頼まれたのなら話は別だ。


「笹崎さん。じぃちゃんのお願いを真に受けなくていいから。君にそこまで頼めない」


千紘社長はそう言うものの、克爾前会長は私を見て嬉しそうに微笑んでいる。


「そうか。ありがとう、笹崎くん。それでは、よろしく頼むよ」


私の肩にポンと手を置くと、上機嫌で社長室を出て行く克爾前会長。私は、その後を慌てて追いかけて、一階のロビーまでお見送りした。

再び社長室へ戻ると千紘社長は執務机ですでに仕事を始めていた。

お見合い写真はすでに納められているようで、たぶんもうこれ以上目を通す気はないのだろう。
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