極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
まずはキッチンでゴミをまとめ、マグカップなどの食器を洗うと、シンクをきれいに掃除した。

キッチンは使っている様子がないのであまり汚れてはいないものの、ほこりがたまっているのできれいに拭き取った。

リビングでは、ソファの上に置かれている洗濯済みの服を畳み、脱ぎっぱなしの服は脱衣所にある洗濯機へと持って行った。

ダイニングテーブルの上の新聞は処分していいのか分からないので日付順に並べて置くことにして、床に散乱している本や雑誌は書棚へと戻す。入りきらないものについては、仕方がないので書棚のそばに積んでおくことにした。

それから、リビングの隅に放置されていたコードレス掃除機を使って、小さなゴミなどを吸い取っていく。

隣の寝室にも掃除機をかけようと扉を開けると、部屋の真ん中に置かれているセミダブルサイズのベッドが目に入った。

瞬間、あの夜の記憶が蘇り、身体が固まってしまう。

あのベッドで千紘社長と……。

彼との一夜を最初から最後まではっきりと思い出しそうになり、ぶんぶんと大きく頭を振って、何とかその記憶を追い出した。
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