極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「あっ、社長。今日はさばがお買い得です。この時間だとさらに二割引きになっています」


鮮魚コーナーで見つけたさばは、お買い得でお安いうえに、ふっくらと身が乗っていて美味しそうだ。塩焼きにしてもいいし、味噌煮にしてもいいかもしれない。

さばを手に取ると、さっそく買い物カゴへと入れた。それからさらに進むと、お肉コーナーでタイムセールが行われている。


「国産の豚バラが安い! そういえば、野菜売り場で大根とごぼうがお買い得になっていたし、豆腐も値引きされていた。それを使ったらお安く豚汁が作れそう……」


ぼそぼそと呟きながら献立を思い浮かべていると、隣からクスクスと笑い声が聞こえた。


「笹崎さん。節約も大切なことだけど、今日は俺が払うからそこはあまり気にしなくてもいいよ」

「えっ……あ」


いけない。うっかり普段の買い物のクセが出てしまい、お買い得やタイムセール、値引きのシールにばかり目がいってしまった。今日は千紘社長に食べていただくのだから、値引き品ではさすがに失礼だ。

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