極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました

もしかして、これが恋の始まりというものなのだろうか。

でも、恋愛経験がまったくない私には、果たしてこの感情が恋なのかよく分からない。

でも、例えこの感情が恋だとしても、どうせ報われないのだからこのまま気が付かない方がいいのかもしれない。

千紘社長には、私なんかよりもずっと相応しい相手がいるのだから……。

そういえば、お見合いはどうなったのだろう。

克爾前会長が、今度こそは千紘社長にお見合いをさせると意気込んでいたが、あの写真の女性の中の一人と千紘社長は会うことにしたのだろうか。

ずっと気になってはいたものの、秘書の立場でそこまで踏み込んではいけないような気がして聞けなかった。

それでも、やっぱり気になってしまう――


「社長。お見合いの件はどうなりましたか」


そんな言葉が自然と口から飛び出てしまった。

すると、千紘社長は食事の手を止めて私を見つめる。