極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「話が脱線か。あの事務の子ならありえそうだ。俺も一度だけ会って話したことがあるが、なかなか面白い子だったな。御子柴とは性格が正反対だからうまくやれているのか心配になったけど」


そのときを思い出したのか、千紘社長がクスクスと笑い出す。

御子柴設計事務所の事務員をしている百瀬さんとは電話でしか話をしたことがないものの、話し方が明るくて感じのいい女性だった。あと、声も可愛らしかった。その印象から、人見知りな私とは違って、人懐こい性格なのだろうと彼女を想像している。


「ああいう子がそばにいると、毎日楽しくて飽きないだろうな」


何気なく呟いた千紘社長の言葉に、なぜか胸がチクリと痛んだ。

確かに、百瀬さんのように明るくて人懐こい性格だと、一緒にいて楽しいのだろう。比べて私のように内気で人見知りで、話しかけられてもそれほど話題を広げられない性格だと、やっぱり一緒にいても楽しくないのかな。

ついそんな卑屈な考えになってしまう。
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