極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました

「千紘社長は、百瀬さんのような女性がタイプなのですか？」


気が付くと、そんなことを尋ねてしまった。口にした後で、私はいったい何を聞いているのだろうと一気に恥ずかしさが込み上げる。

一方の千紘社長は、私の質問に目を丸くして驚いていた。やっぱり余計なことを尋ねてしまったようだ。今すぐに取り消したい。そう思って慌てて口を開こうとしたものの、千紘社長が私を見つめて微笑む。


「まさか。俺のタイプは笹崎さんだよ」


さらっと言われた言葉に、今度は私が目を丸くしてしまう。反応に困って、つい顔を下に向けてしまった。


‟俺の君への愛を信じてほしい”


千紘社長の自宅で言われた、彼の言葉を思い出す。

最初に告白をされたときはお断りをしようと思っていたし、実際にお断りもした。

私と千紘社長では不釣り合い。彼は自分に見合う女性と結婚をするべきだ。そう伝えると、余計なことは考えず好きか嫌いかで判断をしてほしいと告げられた。

あの日、千紘社長の真摯な想いを知って、今は少し心が揺らいでいる……。