極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
恋した瞬間
*
本社ビル四階にあるカフェテリアは、ちょうどお昼時とあってたくさんの社員で賑わっている。
「俺の奢りだから好きなものを頼んでいいからな。おっ、今日のオススメは中華丼らしい。俺はこれにするけど、笹崎も一緒にどうだ? うまそうだぞ」
「いえ、私はランチ定食にします」
「遠慮するなって。それ一番安いのだろ。俺と同じ中華丼で決まりな」
勝手に私の分も注文してしまう横顔に、思わず小さなため息がこぼれてしまった。
今の時刻は十二時を過ぎた頃。私は、天野室長に誘われて、社内カフェでお昼休憩を取っている。
基本的に昼食はいつも手作りのお弁当かおにぎりを持参している。
今日も秘書室の自分のデスクで食べようと思っていたのに、天野室長に社内カフェへと強引に連れて来られてしまった。