極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「お恥ずかしながら、この歳で初めて本気で人を好きになりました。最近では、どうしたら彼女の笑顔が見られるだろう。喜んでもらえるだろう。少しでも長く一緒にいたいけどどうすればいいだろう。食事に誘いたいけど迷惑じゃないだろうか。俺の気持ちを受け取ってもらえるだろうか。そんな風に、彼女とのことばかりを考えてしまいます」


……それは、もしかして私のことなのだろうか。

千紘社長の言葉を聞きながらふとそう思った。

そうだとしたら、彼は私のことをそんな風に考えてくれて、想ってくれているんだ。

そう思ったら、なんだか泣きたいような苦しいような嬉しいような、いろんな感情が一気に押し寄せてくる。


「だから、お嬢様とのお話はお断りさせていただきます。すみません」


千紘社長が頭を下げると、瀧本社長はじっと彼を見つめていた。けれど、しばらくすると楽しそうに声を上げて笑い出す。
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