極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました

「これだよね」

「はい。そちらかと思います。小森部長が、できれば早めに戻してほしいとおっしゃっていました」

「そうか。でも、これちょっと気になるところがあるから、確認しようと思っていたんだよね。小森部長と担当者呼べる？」

「はい。すぐに連絡します」


そう答えると、私は社長のデスクに置かれている電話をお借りして、事業開発部へと内線をかけた。

事務の女性社員が出たので、小森部長へと繋いでもらう。確認したい件があるので社長室へ来てほしい旨を伝えると、担当者二名とともにすぐにこちらへ向かうと返事があった。


「社長。小森部長たちですが、これからいらっしゃるそうです」

「わかった。ありがとう、笹崎さん」

「いえ。私は秘書室におりますので、何かございましたらご連絡ください」


そう伝えてから一礼すると、私は社長室を後にしようと扉へ向かう。


「待って、笹崎さん」


けれど、ドアノブに手をかけたところで千紘社長に呼び止められてしまった。