極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「今までずっとそう思って生きてきたので……。あの日、社長の言葉がとても嬉しかったです」
「あの日って……もしかして、誕生日のときのこと?」
そう尋ねられた私は「はい」と頷いた。
千紘社長にはまだ、あのディナークルーズの日に私が流してしまった涙の理由をしっかりと話してはいない。きっと彼もあえて私に何も聞かないでいてくれたのだと思う。
「生まれてきてくれて、出会ってくれてありがとう。社長は私にそう言ってくださいました。それがとても嬉しくて、自然と涙が出ていて……」
「笹崎さん」
千紘社長に呼ばれて、顔を上げる。
「今も、泣いているよ」
「えっ」
頬に触れると確かにそこは湿っていた。
いけない。また、千紘社長の前で泣いてしまうなんて。
「すみ――」
「俺は君が好きだよ」
すみませんと謝ろうとした私の声を遮って、千紘社長はそう言った。
「あの日って……もしかして、誕生日のときのこと?」
そう尋ねられた私は「はい」と頷いた。
千紘社長にはまだ、あのディナークルーズの日に私が流してしまった涙の理由をしっかりと話してはいない。きっと彼もあえて私に何も聞かないでいてくれたのだと思う。
「生まれてきてくれて、出会ってくれてありがとう。社長は私にそう言ってくださいました。それがとても嬉しくて、自然と涙が出ていて……」
「笹崎さん」
千紘社長に呼ばれて、顔を上げる。
「今も、泣いているよ」
「えっ」
頬に触れると確かにそこは湿っていた。
いけない。また、千紘社長の前で泣いてしまうなんて。
「すみ――」
「俺は君が好きだよ」
すみませんと謝ろうとした私の声を遮って、千紘社長はそう言った。