極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました

ランチを終えて柴乃ちゃんと楓ちゃんと別れてからも、気持ち悪さは続いていて、秘書室へ戻る途中のトイレで少し吐いてしまった。

やっぱりどこか体調が悪いのだろうか。

これ以上、悪化する前に一度しっかりと病院で診てもらった方がいいのかもしれない。

口元を水で洗い顔を上げると、目の前の鏡には真っ青な顔をした自分が映っている。

ふと、さきほどの柴乃ちゃんの言葉を思い出した。


“食欲なくて気持ち悪いなんて、楓より桃子の方が妊娠しているみたい。ほら、つわりのときってそうなるらしいじゃん”


自然と手が自分のお腹に触れていた。


「……まさか、違うよね」


だって思い当たる節が……あるにはあるけれど。
< 294 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop