極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
そういえば、今月はまだ生理がきていない。

もともと遅れたり早まったりと月毎に周期がずれていたから、そこまで気にしていなかった。それでも、今回はだいぶ遅れている気がする。

そんなはずはないと思いたいものの、思い当たる節があるので完全には否定ができない。とはいえ、まだそうと決まったわけでもないから、あまり深く考えるのはやめよう。


「もうこんな時間。戻らないと」


ふと視界に入った腕時計が午後の就業開始時間をさしていた。

モヤモヤとした気持ちが残るものの、今は仕事だ。

私は、小さく深呼吸をすると、両手で軽く自分の頬をたたいた。

気分を仕事モードへ切り替えてから秘書室へ向かうと、デスクで仕事を始める。

さきほど少し吐いてすっきりとしたせいか、気持ち悪さはだいぶ軽くなっている。そのまま順調に仕事を進めていると内線が入り、表示された番号は社長室だった。
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