極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「秘書室、笹崎です」

『笹崎さん。急で申し訳ないんだけど、明後日までに緊急で会議を開きたいんだ。これからメールをするから、該当する各部署の担当に連絡をして会議の予定を組んでもらえるかな』

「わかりました。会議場所についても私の方で手配いたします」

『ありがとう。よろしくね』


用件を伝え終えたのでそこで内線は切れると思ったものの、まだ通話は続いている。


「社長。他にも何かございますか?」

『いや、違うんだ。声を聞いたら会いたくなって』


優しい口調でそう告げられて、私はどう返したらいいのか分からず返事ができない。

お付き合いが始まって約二週間。

仕事とプライベートはしっかりと切り離さないといけないものの、たまにこうして不意に甘い言葉を掛けられるから動揺してしまう。
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