極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「桃子が誰の秘書になっても、恋人は俺だ。だから、こういうことができるのは俺だけってこと」


囁くようにそう告げると、千紘さんは私の唇を素早く塞いだ。

しばらく優しいキスが続き、私もそれに流されて応じてしまう。けれど、途中から千紘さんの舌が私の唇をこじ開けようとしたので、ハッと我に返り彼の胸を押し返す。すると、自然と唇が離れた。


「社長。ここでこういうことは……。天野室長に禁止だと言われました」

「バレなければ問題ない」


そう告げた彼の唇が再び私の唇に重なる。今度はあっという間に舌を絡め取られ、深いキスになっていく。

とうとう息が苦しくなってきた頃、社長室に内線が響いた。

それに気が付いた千紘さんが名残惜しそうに私から唇を離すと、受話器を手に取る。


「はい、大鷹……ああ、奏介か。どうした?」


どうやら内線を掛けてきたのは秘書室にいる天野室長らしい。
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