極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
もしかして、イチャイチャ禁止と言われたのに、キスをしていることがバレたのだろうか。

でも、秘書室から社長室の様子は見えないのでそうではないはず。だけど、天野室長は勘が鋭いから……。

そう怯えつつ、さきほどのキスで乱れた呼吸を整える。


「――ああ、うん。繋いでいいよ」


どうやらどこかの部署から千紘さんに内線が入っているらしい。

役員への電話連絡はいったん秘書室へかけて了解を経てから、それぞれの役員へと繋ぐことになっているから。

たぶん今回は社長宛ての内線なので私にかかってきたはず。それを秘書室を不在にしている私の代わりに天野室長が取って、社長室へと回してくれたのだろう。

イチャイチャがバレたわけではないと分かりホッとしていると、千紘さんがデスクの隅に軽く腰掛けて、改めて内線を取る。


「代わりました、大鷹です。森山(もりやま)さん、どうした?」


森山さんといえば、事業開発部に所属している方で、新しく建設予定のデザイナーズマンションの担当責任者の男性社員だ。
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