極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「――おっ、そっか。御子柴が受けてくれるならよかった」
電話中の千紘さんの声が突然明るくなった。
御子柴さんの名前が出てきたということは以前、千紘さんが自ら交渉へと向かったデザイナーズマンションの設計を引き受けてもらえたらしい。この電話はその報告のようだ。
「俺で力になれるならいつでも言って。――ああ、うん、わかった。御子柴にもよろしく伝えといて」
そこで内線は切れて、千紘さんが受話器を戻す。
「社長、よかったですね。御子柴さんに設計を引き受けていただけて」
「これでひとまず安心かな。もしかして、桃子の選んでくれたエビせんが効いたのかも。俺も一緒に食べたけど美味しかったから」
「それはありがとうございます。ですが、エビせん効果ではないと思いますよ」
千紘さんが笑いながらそんな冗談を言うので、つい私はクスッと笑ってしまった。
気難しいと有名な建築家の御子柴さんが、まさか私が手土産に選んだエビせんに釣られるはずがない。
電話中の千紘さんの声が突然明るくなった。
御子柴さんの名前が出てきたということは以前、千紘さんが自ら交渉へと向かったデザイナーズマンションの設計を引き受けてもらえたらしい。この電話はその報告のようだ。
「俺で力になれるならいつでも言って。――ああ、うん、わかった。御子柴にもよろしく伝えといて」
そこで内線は切れて、千紘さんが受話器を戻す。
「社長、よかったですね。御子柴さんに設計を引き受けていただけて」
「これでひとまず安心かな。もしかして、桃子の選んでくれたエビせんが効いたのかも。俺も一緒に食べたけど美味しかったから」
「それはありがとうございます。ですが、エビせん効果ではないと思いますよ」
千紘さんが笑いながらそんな冗談を言うので、つい私はクスッと笑ってしまった。
気難しいと有名な建築家の御子柴さんが、まさか私が手土産に選んだエビせんに釣られるはずがない。