極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました

「すまない。大至急確認したい資料があって探していたんだけど、いつも桃子に任せていたからどこにまとめたかすぐに分からなくて」


どうやらそのせいで片っ端からファイルを探し回ったらしい。


「それは私の方こそ申し訳ありません。もっと分かりやすくファイリングしておくべきでした。それで、お探しの資料は？」

「見つけたよ。だからもう大丈夫」


千紘さんはデスクの上に散乱している資料の中から一枚を手に取ると、ひらひらと振って私に見せた。


「実は、ロンドンの開発でまたちょっとトラブルがあったんだ。向こうの社員で処理はできると思うけど、俺も現地へ行こうと思う。それで、急なんだけど明日か明後日で飛行機のチケットを取れないかな」

「わかりました。すぐに確認します」


さっそく飛行機の手配をするため秘書室へ戻ることにして、私は千紘さんに背を向ける。