極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
自分を美人だと思ったことはないものの、やたらと目立ってしまう存在だとは、子供の頃から何となく気が付いていた。

というのも、どうやら私は顔立ちが派手らしい。

二重でぱっちりとした目に、くるんと長い睫毛。すっと通った鼻筋に、形のいい唇。シャープな頬に、しゅっとした顎。後ろでひとつに結んでいるセミロングの髪は、染めてはいないのに茶色っぽく艶もある。身長は女性の平均より少しだけ高い百六十八センチ。

この見た目のせいなのか、大学進学を機に上京すると、モデル事務所や芸能事務所の関係者からやたらと声を掛けられた。他にも、キャバクラにスカウトされたこともある。

もちろん、そんなものには一切興味がないので丁重にお断りしたものの、しつこい相手には何度も声を掛けられてうんざりした。
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