モブ転生のはずが、もふもふチートが開花して 溺愛されて困っています
少年少女の恋煩い
おにぎりを購買で売り出してから数日、売れ行きは好調だ。テキスト課題も終わりが見えてきて、やっと余裕ある日常に戻れそうだ。
今日は倉庫の修復に力を入れようと思い、私は早い時間から倉庫の作業に取り掛かっていた。倉庫内の清掃は済んだので、今は壊れた板を新しいものに取り換えたり、古びた用具をピカピカに磨いたりしている。お陰でネジや金づちの扱いがとてもうまくなってしまった。
倉庫へ行く日は、決まってシピとしてレジスに会いにいくようになった。今日もまた、昼休みにレジスの姿を確認してから私は獣化する。
そういえば、おにぎり買い占め騒動が起きてからシピとして会いにいくのは初めてだ。少し間が空いてしまったので、レジスはシピのことを待ち遠しく思っているだろう。早く行ってあげないと。
「にゃー」
レジスに気づいてもらえるよう鳴き声を上げると、レジスはこちらを振り向いた。
「シピ! 久しぶりだな」
おいで、と手招きするレジスのもう片方の手には、私が作ったおにぎりがあった。レジスはおにぎりが売られる日はいつも買いにきてくれる。こうしてお昼ご飯として食べてくれている姿を実際に目の当たりにすると、私もうれしくなった。
「……はあ」
そんな私とは反対に、レジスは大きなため息をついた。
なんだか今日のレジスは元気がないように見える。いつもならシピを見つけると抱きかかえたり撫でまわしたりしながら、饒舌になってとても楽しそうにしているのに、今日はどこか上の空だ。
なにか落ち込むようなことがあったのだろうか。思い悩んでいるような表情をしているレジスが気になり、私はレジスの膝の上にちょこんと自ら乗っかった。
じっとレジスを見つめると、レジスもこちらに視線を向け、真剣な顔をして私に話しかけてくる。
「……シピ、俺の悩みを聞いてくれるか?」
「にゃあ?」
なあに? と言わんばかりに首を傾げる。
まさか猫の姿のときにまでレジスの悩みを聞くことになろうとは、考えてもいなかった。
「実は、気になってるひとがいるんだ」
頬を掻きながら照れくさそうに言うレジス。……これって、恋の相談!?
いつもサロンではシピのことを想い人として相談してくるレジスが、シピに恋愛相談をするなんて……今度こそ本当に、好きなひとができたということだろうか。
今日は倉庫の修復に力を入れようと思い、私は早い時間から倉庫の作業に取り掛かっていた。倉庫内の清掃は済んだので、今は壊れた板を新しいものに取り換えたり、古びた用具をピカピカに磨いたりしている。お陰でネジや金づちの扱いがとてもうまくなってしまった。
倉庫へ行く日は、決まってシピとしてレジスに会いにいくようになった。今日もまた、昼休みにレジスの姿を確認してから私は獣化する。
そういえば、おにぎり買い占め騒動が起きてからシピとして会いにいくのは初めてだ。少し間が空いてしまったので、レジスはシピのことを待ち遠しく思っているだろう。早く行ってあげないと。
「にゃー」
レジスに気づいてもらえるよう鳴き声を上げると、レジスはこちらを振り向いた。
「シピ! 久しぶりだな」
おいで、と手招きするレジスのもう片方の手には、私が作ったおにぎりがあった。レジスはおにぎりが売られる日はいつも買いにきてくれる。こうしてお昼ご飯として食べてくれている姿を実際に目の当たりにすると、私もうれしくなった。
「……はあ」
そんな私とは反対に、レジスは大きなため息をついた。
なんだか今日のレジスは元気がないように見える。いつもならシピを見つけると抱きかかえたり撫でまわしたりしながら、饒舌になってとても楽しそうにしているのに、今日はどこか上の空だ。
なにか落ち込むようなことがあったのだろうか。思い悩んでいるような表情をしているレジスが気になり、私はレジスの膝の上にちょこんと自ら乗っかった。
じっとレジスを見つめると、レジスもこちらに視線を向け、真剣な顔をして私に話しかけてくる。
「……シピ、俺の悩みを聞いてくれるか?」
「にゃあ?」
なあに? と言わんばかりに首を傾げる。
まさか猫の姿のときにまでレジスの悩みを聞くことになろうとは、考えてもいなかった。
「実は、気になってるひとがいるんだ」
頬を掻きながら照れくさそうに言うレジス。……これって、恋の相談!?
いつもサロンではシピのことを想い人として相談してくるレジスが、シピに恋愛相談をするなんて……今度こそ本当に、好きなひとができたということだろうか。