モブ転生のはずが、もふもふチートが開花して 溺愛されて困っています
二学期が終わり、冬休みに入る前に学園主催のクリスマスパーティーが開かれた。
朝から俺は、街に出てフィーナへ送るクリスマスプレゼントを捜しまわっていた。自分で足を動かして、プレゼントを選ぶなんてことは初めてだ。
何軒も店を周った。どこの店も、カップルや俺と同じ考えの男で溢れ返っている。
「恋人さんへの贈り物ですか?」
「え? あ、ああ。いや、ちがう。しかし、恋人と仮定して選びたいというか……」
「ああ! 好きな方への贈り物ですねっ!」
――こんな風に、デリカシーに欠けた店員とのやり取りを何度も繰り返し、俺はようやくフィーナに似合いそうな髪飾りを見つけることができた。
色はピンクと水色の二種類あり、フィーナにはどちらも似合うと思ったが、俺は自分の髪色と同じ水色を選んだ。この髪飾りを見るたびに、俺のことを思い出してくれるようにという意味合いを込めて。
ポケットにプレゼントを忍ばせ、あとはフィーナに渡す機会を窺うだけだ。フィーナはパーティーに参加できないと言っていたので、きっと寮にいるはずだ。俺も寮に残り、フィーナが食堂にいるときを狙って話しかけよう。
寮までの帰り道、念入りに計画を立てていると、後ろから肩を叩かれ振り向く。
そこには、パーティー用に目いっぱい着飾り尽くしたエミリーの姿があった。
「レジス、メリークリスマス! よければ私の手配した馬車で、一緒に会場に行かない?」
「……俺はパーティーには参加しないから遠慮しておく」
「えぇ!? レジスが参加しないなんてつまらないわ! どうして……あ、もしかして、フィーナがいないから?」
なにも言わない俺を見て、図星だとわかったのか、それまで晴れやかだったエミリーの表情が一気に曇った。
面倒くさいことになる前にさっさと退散したいが、どうすればいいか。
エミリーだけなら、いつものように相手にせず去ればいいだけなのだが、今日は後ろに使用人を控えている。プライドの高いエミリーが使用人の前で庶民と思っている俺に無視などされたら、怒り狂う姿が目に見えているのでできれば避けたい。
朝から俺は、街に出てフィーナへ送るクリスマスプレゼントを捜しまわっていた。自分で足を動かして、プレゼントを選ぶなんてことは初めてだ。
何軒も店を周った。どこの店も、カップルや俺と同じ考えの男で溢れ返っている。
「恋人さんへの贈り物ですか?」
「え? あ、ああ。いや、ちがう。しかし、恋人と仮定して選びたいというか……」
「ああ! 好きな方への贈り物ですねっ!」
――こんな風に、デリカシーに欠けた店員とのやり取りを何度も繰り返し、俺はようやくフィーナに似合いそうな髪飾りを見つけることができた。
色はピンクと水色の二種類あり、フィーナにはどちらも似合うと思ったが、俺は自分の髪色と同じ水色を選んだ。この髪飾りを見るたびに、俺のことを思い出してくれるようにという意味合いを込めて。
ポケットにプレゼントを忍ばせ、あとはフィーナに渡す機会を窺うだけだ。フィーナはパーティーに参加できないと言っていたので、きっと寮にいるはずだ。俺も寮に残り、フィーナが食堂にいるときを狙って話しかけよう。
寮までの帰り道、念入りに計画を立てていると、後ろから肩を叩かれ振り向く。
そこには、パーティー用に目いっぱい着飾り尽くしたエミリーの姿があった。
「レジス、メリークリスマス! よければ私の手配した馬車で、一緒に会場に行かない?」
「……俺はパーティーには参加しないから遠慮しておく」
「えぇ!? レジスが参加しないなんてつまらないわ! どうして……あ、もしかして、フィーナがいないから?」
なにも言わない俺を見て、図星だとわかったのか、それまで晴れやかだったエミリーの表情が一気に曇った。
面倒くさいことになる前にさっさと退散したいが、どうすればいいか。
エミリーだけなら、いつものように相手にせず去ればいいだけなのだが、今日は後ろに使用人を控えている。プライドの高いエミリーが使用人の前で庶民と思っている俺に無視などされたら、怒り狂う姿が目に見えているのでできれば避けたい。