モブ転生のはずが、もふもふチートが開花して 溺愛されて困っています
エミリーを撒く方法を考えていると、急にエミリーが俺のポケットから、フィーナへのプレゼントである髪飾りの入った箱を取り去った。突然の行為に、俺はぎょっとする。
「なにをするんだ!」
「ポケットが膨らんでるから気になっちゃって。これ、プレゼント? もしかして……私にかしら?」
「ちがっ……! やめろ!」
そんなわけがないだろう。
確実に自分の味方をしてくれる使用人がいることで気が大きくなっているのか、エミリーは俺の制止の声にも耳を貸さずに、勝手に箱を開けだした。
「返してくれ!」
「あっ……もう、レジスのケチ!」
中身を見られた瞬間、触れられる前に箱を奪い返す。
「これはフィーナへのプレゼントだ。彼女以外に触れられたくない」
「……そう。レジスったら、騙されたっていうのにまだ目が覚めていないのね」
あきれた顔で俺を見ると、エミリーは見せつけるように大きくため息をついて、そのまま馬車に乗って駆けていった。
その後のクリスマスは、フィーナとそれはもう幸せな時間を過ごすことができた。誰にも邪魔されず、寮の食堂で開かれたふたりだけのクリスマスパーティーは、どんな贅沢にも勝てやしない。
俺にとっては一流シェフの料理も、フィーナの焼いたチキンとケーキには敵わない。
目の前でフィーナが笑ってくれるなら、歌もダンスもなくたって構わない。
俺があげたプレゼントを目にしたフィーナの瞳は、宝石のように輝いていて、朝から頑張って探した甲斐があったと思わせてくれた。
学年末パーティーには一緒に参加することを約束し、そして、俺はその学年末パーティーでフィーナに告白することを決意した。
フィーナの停学期間は学年末パーティーまでだと聞いていたし……停学が終われば、来年は学園でも、フィーナと一緒に過ごせることを夢見ていた。
「なにをするんだ!」
「ポケットが膨らんでるから気になっちゃって。これ、プレゼント? もしかして……私にかしら?」
「ちがっ……! やめろ!」
そんなわけがないだろう。
確実に自分の味方をしてくれる使用人がいることで気が大きくなっているのか、エミリーは俺の制止の声にも耳を貸さずに、勝手に箱を開けだした。
「返してくれ!」
「あっ……もう、レジスのケチ!」
中身を見られた瞬間、触れられる前に箱を奪い返す。
「これはフィーナへのプレゼントだ。彼女以外に触れられたくない」
「……そう。レジスったら、騙されたっていうのにまだ目が覚めていないのね」
あきれた顔で俺を見ると、エミリーは見せつけるように大きくため息をついて、そのまま馬車に乗って駆けていった。
その後のクリスマスは、フィーナとそれはもう幸せな時間を過ごすことができた。誰にも邪魔されず、寮の食堂で開かれたふたりだけのクリスマスパーティーは、どんな贅沢にも勝てやしない。
俺にとっては一流シェフの料理も、フィーナの焼いたチキンとケーキには敵わない。
目の前でフィーナが笑ってくれるなら、歌もダンスもなくたって構わない。
俺があげたプレゼントを目にしたフィーナの瞳は、宝石のように輝いていて、朝から頑張って探した甲斐があったと思わせてくれた。
学年末パーティーには一緒に参加することを約束し、そして、俺はその学年末パーティーでフィーナに告白することを決意した。
フィーナの停学期間は学年末パーティーまでだと聞いていたし……停学が終われば、来年は学園でも、フィーナと一緒に過ごせることを夢見ていた。