秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「………」
でも、葉山のお願いを聞かないような自分勝手な男では居たくないと思うから。
(我慢しよう…)
深呼吸を一度すると葉山のベッド傍で立って、最後に愛しい妻の頬を柔らかく触れる。
もう大丈夫。問題ない。
そう思った俺は葉山の部屋を後にしようとした。……けれど…。
「……ほだか…くん…」
「えっ…」
起こしたかと思ってかなり焦った。
でも振り返ると、葉山は変わらず眠っていて…。
(寝言…?)
ホッと胸を撫で下ろした。
その時。
「……好き…」
わざと? え、寝たフリ?
っていうか…ほんと……。
「………ばか…」
せっかく俺…堪えてたのに…。
身体が勝手に動き出す。
可愛らしい寝言を紡ぐ唇に何度も、そして時には頬、額、こめかみ、鼻の先に次々とキスをした。