秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「………葉山が寝てる最中に…」
「だと思った…。」
「でも無意識で…!」
「無意識につけるって…あり得ないでしょ」
声音は怒ってる。
なのに顔は…。
「………ほんと…………ドキドキするからやめて…」
赤くて林檎みたいだ。
つられて俺も同じような顔になってしまう。
「……ごめん…」
この謝罪は今からする行動に対する謝罪だ。
俺たち以外、誰もいない資料室。
葉山の手を掴み、抵抗する暇も与えずに腕の中に閉じ込めた。
「っ…反省してる…?」
「してる。………けど…」
「?」
「……………充電させて…。李不足で死にそう」
自分よりも冷たくて、華奢で、そして触り心地が良い肌。
「っ…こんな時に限って名前で呼ぶとか…ズルい…。」
「……うん」
「…………10秒だけならいいよ…」
「ありがと…」
バチが当たるかもしれない。
仕事場で、勤務中にこんなこと。
「…………」
静かな部屋に聞こえる葉山の呼吸音。
………1週間耐えられるかな…?
きっと答えは『不可能』に違いない。