秘密事項:同僚と勢いで結婚した
離れていても
李side
「……長期出張でアメリカ行ってきます…」
「……………え…」
穂高くんから海外出張が決まったとのご報告を受け…。
「……嫌です…」
と、私は無意識に最低な返しをしていた。
「……俺だって葉山と離れたくない…」
「っ…なんで穂高くんが…」
穂高くんは英語がペラペラ。だから今までも何度か海外出張に行っていたけれど…。
「………この間のプレゼン、上層部にかなり好感触で…。海外も視野に入れて勧めたから」
「長期って…どれくらい?」
「2週間」
2週間…。つまり14日間…。
長いな。
それだけ穂高くんと会えないのかって思うと辛い。
「……そっか。同期として…!というか妻として…!全力で応援する!」
ここで引き止めるわけにもいかない。
『嫌です』なんて…さっきはポロっと口に出たけど。
「お仕事だもん。穂高くんの腕が買われていることはめちゃくちゃ嬉しいことだし」
一番に私が応援しないでどうする。
「………ありがとう」
寂しいなんて言葉が一番に出てきちゃダメなんだ。
2週間なんてあっという間!大丈夫!
そう意気込んだ。