秘密事項:同僚と勢いで結婚した
そうして穂高くんがアメリカへ出張に行き1日目。
「………」
私は目の前にある鍋に目を落とす。
「………作りすぎた…」
聞かれるわけでもない独り言。
ポトフが食べたい気分だった私は、一人でせっせと調理をした。
ところまでは良かった。
穂高くんは結構食べる人だ。
『美味しい』と書いてあるような笑顔を向けて、姿勢良くご飯を口に運ぶ。
他人の食べているところを見るのが好きで、食事中、何度も何度も目があって。
「…………」
まだ1日目なのに。
こんなにも恋しいのか。