秘密事項:同僚と勢いで結婚した
いつだって自分たちは
李side
「えーっと…」
「うっ…お、おかえり…穂高くん…」
「…ただいま」
2週間にわたる長期出張を終えた穂高くんと久々のご対面。
私は額から出る嫌な汗を手の甲で拭いながら、苦笑いを浮かべた。
「……ちょっと早めの帰宅だったね…!」
「うん。会社に顔出してって思ったんだけど明日でいいって部長が。」
「そっかぁ〜。あはは」
「………葉山さ」
「なんで俺のベッドで寝てたの?」
そう。私が今いるのは穂高くんのベッドの上。寂しくなってガッツリ匂いを嗅いでいるところを目撃されてしまった。
(うわぁぁあぁああぁ…!恥ずかしい!!)
「えっと…!穂高くん帰ってくる日だし!!ベッドメイキングしようかなって!!」
「へぇ〜」
ニヤニヤと意地悪な笑みを見せて、穂高くんはベッドに膝をつく。そして私の顔を覗き込み、こう言うのだ。
「……覚悟できた?」
穂高くんが海外にいる時の通話内容を思い出す。『帰ったら2週間分愛する』という言葉。
……ええ。覚悟して『ました』とも。
現実は残酷なものですよね。