秘密事項:同僚と勢いで結婚した
李side
「………びっくりした…」
開いた時間で結婚の報告を上司や管理職の方々に終わらせて帰宅した夜。
「…………唐突すぎだよ…。穂高くん…」
「嫌だった?」
「………………嫌じゃない…」
驚いた。けれど多くの人に祝福されて、そして何よりも…。
「……やっと李と夫婦らしくなれた」
幸せそうな夫の顔を見れたことが何よりも嬉しいし喜ばしい。
「…………私たちらしいかも」
「俺も同じこと思ってた」
スーツ姿のままソファでグッタリしながら天井を眺めてニヤける穂高くんの隣に腰掛けて、その緩み切った頬に口付けをした。
「っ……なに?」
自分ばっかり振り回されるのは嫌だ。
「……」
たまには穂高くんも…慌てればいいんだ…。
手を握り、瞳を真っ直ぐに合わせれば、彼はスッと紅潮した顔を逸らす。
「……生理は…?」
「……終わった」
手を握って見つめるのは『お誘い』を意味する。これは2人のルール。
「…………私のこと、一生大事にしてくれるんでしょ?」
「やけに積極的だな…?」
「嫌?」
「…わかってて聞いてるだろ」
私の髪を人差し指の側面で触れると、彼は見つめ返すように顔を覗き込んでキスをする。