秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「李…くすぐったい…」
「ん…きもちくない?」
「……ノーコメントで…」
ガバッと勢いよく彼は起き上がると、私の服をたくし上げる。
「……全部脱がすよ」
「千智も…」
「うん」
器用に身を纏う布を全て取っ払い、肌同士を触れ合わせる。
相手の体温を感じるというのは、とても心地良くて頭がボーッとした。
「………千智だからだね」
「何が?」
「千智だから……こんなにも幸せ…」
触る手は常に優しい。色んな場所を舐める舌は柔らかくて気持ちがいい。
向けられる視線は何処までも温かくて擽ったい。
胸の内で感じるのは多幸感と高揚ばかり。
「……李…」
名前を呼ぶ声は甘酸っぱくて…。
「泣くなよ」
涙が溢れるほどに色濃く刻まれる。
「千智…好き…。愛してる…」
涙が浮かぶ目尻に唇を這わせ、フッと柔和な雰囲気を纏って笑った。
ただひたすらに愛されるような愛撫を経て、ぎらぎらと欲情した視線を向けて…
「ごめん……もう我慢できそうにない…」