秘密事項:同僚と勢いで結婚した

穂高くんは普段、あまりお酒を飲まないのに今は私のペースに合わせるように飲んでくれている。平気そうだから弱くはないんだろうけど。その優しさのおかげで少しずつ心が軽くなってきた。


「もうアラサーかぁ。ひとり寂しい人生も仕事に熱中して生きる人生も悪くないかもね〜」


呆れずに付き合ってくれる穂高くんに感謝。お酒に溺れるほど酔って、たくさん文句言ってスッキリしてきた頃、隣にいる穂高くんと目が合う。


「穂高くん、先輩後輩からモテて選り取り見取りなのに彼女できないよね〜」

「余計なお世話。」

「……穂高くんは意地悪なところあるけど、なんだかんだ奥さんとか大切にしそうだよね」

「んー、どうだろうな。できてみなきゃ何とも」


営業部で仕事ができてスタイル良くてコミュニケーション能力が長けている同期。立ち回りもうまくて、もう褒めるところしか見つからないぐらいに居心地がいい友人かつ仕事仲間。

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