秘密事項:同僚と勢いで結婚した
そのちょうど数日後だったと思う。
好きになった相手には彼氏がいた。
でもずっと付き合っているわけでもないだろう、なんて淡い期待を抱きながら想い続けた。
好きじゃなくなる理由を探したけど、葉山に彼氏がいても、婚約をしても、変わらず好きで。
一途を通り越して執念深いのかもしれない。
そんな自分が嫌になることだってたくさんあった。
たとえば、葉山から惚気話を聞かされた時。
『この間、峻が…』
下の名前で呼び捨てされるのが羨ましかった。
妬み嫉みばかりで、内心ぐちゃぐちゃ。
いつもそばにいるのは自分なのに。
仕事中だけじゃない。
割と頻繁に飲んだり、同期会で騒いだり。
彼氏と会っているところを見たことがなかったからなのかもしれない。
彼氏と仲良さそうに話している葉山を想像するだけで胸が痛くて仕方なかった。