秘密事項:同僚と勢いで結婚した

そして今。


《チュン…》


小鳥の囀(さえず)りで気持ちよく目を覚ますと、隣で熟睡している葉山の寝顔を堪能した。


(先に起きた方の特権だな)


葉山の実家の帰省2日目の朝。


手を繋いだまま眠る愛しい人を起こさないように頬にキスをしてから…。


「……はやまー。起きろー」

「ん……」


声をかけた。
まだ起こすな、とでも言いたいのか、眉間にシワをギュッと寄せて寝返りを打つ。


その様子が面白くて、俺はクスクスと笑った。


幸せだ。


ずっと好きだった人が隣で寝てて、妻になって。


気持ちはまだ一方通行かもしれない。でも、彼女は確実に自分のことを意識している。


それが堪らなく嬉しい。


顔が綻ぶ、そんな朝。




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