不器用な2人の初恋
「はっはい!」
さっきまでの威勢はどこへ行ったのか。
彼女の声はとても震えていて、不覚にも助けてあげようか。などを考えてしまう。
「誰だ?これやったやつ。」
「そっ、それは………」
彼女達もさすがに何も言えないらしい。
まぁ、普通はいえないよね。
私がいじめた本人です、なんて。
「星川くん。私なら本当に大丈夫だから。」
「……でも、さすがにこれは酷いっしょ。」
まぁ、この教室を見ればみんなそういうだろう。
机は倒れ、
教卓には薄く血の跡がつき、
床にもたくさんの荷物やら書類やらが散らばっている。
だけど、
私も引くわけにはいかない。
多分私は体をチェックされる。
ケガがないか、など。
そしたら、絶対にバレる。
しかも、この怪我はちょっとしたいじめ所ではない。