呼吸と鼓動

悠貴side

「迷走神経反射だね。よくあることだから大丈夫だよ。

一時的なものだからちょっと動かないで横になっててね」



足を高くしてベッドに寝かせて毛布をかける。

手首で脈をとる。


「手足痺れてない?寒くない?…ちょっと寒い?」



顔色が真っ青で心配になる。


意識もはっきりしてるし、普通に会話できてるんだけど、かなり徐脈なんだよな。

着ていた白衣を脱いで毛布の上にかける。



「血圧測るね。体温計脇に挟んでおいて」

「こっちでは無理そうだね」



自動血圧計が2回ともエラーで手動の血圧計で計り直してみる。



「腕に聴診器当てるね。ちょっとヒヤッとするよ」

ポンプで空気を送って血圧を測る。


「おー、低いね」



回復に時間がかかってるな。

「頭痛とか吐き気は大丈夫?…ん?どう?」



若干反応が鈍いか?



「名前言える?ここの病院の名前は?

…うん、ばっちり言えてるね。

緊張してる?びっくりしちゃったよね」



「大丈夫大丈夫」



肩をさすって安心させる。



「顔色良くなったね」

「だいぶ良くなった」

「ん?起き上がる?ゆっくりね」



身体を支えて起き上がらせる。



「おっと、ふらふらだね。一回座ろうか。


「体に力が入らなかった」


「大丈夫大丈夫。靴脱いでもう一回横になっちゃっていいよ。

ちょっと待っててね」



「ここのベッド使ってていいって言うからここで休んでて。

ナースコール置いとくから気分悪くなったら押して。

1時間で頑張って仕事終わらせてくるから一緒に帰ろう」
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