呼吸と鼓動
救急搬送2

大翔side

朝礼中に発作を起こして倒れたそう。学校の先生が救急車を呼んで搬送されてきた。


「もう病院着いたからね。もう少しだけ頑張ろう」


「昨日も搬送されてきた患者さんです」



意識はしっかりしている。制服のブラウスは汗でびっしょりだ。この時点でだいぶ体力も消耗しているだろう。


「移します1、2、3!」



処置室に運んでベッドに移す。

酸素飽和度89、呼吸数56。これだけ呼吸数が多いにも関わらずspo2が保てない。



「ルート取って。酸素投与と吸入の準備も」


脱水にならないように点滴で輸液を落とす。


「これお薬吸って」


酸素マスクをずらして口元にマウスピースを近づける。


「いやっ…ハァッ…ゴホッ」


片手で頭を軽く固定してくわえさせる。


「ハァッ…ゴホッ…ゴホッ…」


苦しいようですぐに口を離してしまう。


「頑張って」


何度か試みるが難しそう。


「無理だな。ステロイド静注に切り替えて」

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