呼吸と鼓動
旅行

悠貴side

"ホテル泊まってみたーい"

葵のこの一言で計画された旅行。


せっかくだからと朝食ビュッフェが評判のホテルを予約した。


「わぁ、おしゃれー!」


部屋を見てテンションの上がっている葵。

この部屋よりも狭くて安いとはいえ、出張でよく各地のホテルを利用するから僕にとっては何の新鮮味もない。


カバンを置いてベッドに腰掛ける。



ホテル内のレストランで食事をした後は部屋に戻って2人でおしゃべりした。

最近は持ち帰りの仕事が多くて家でもよくパソコンを開いていたから、こうして葵とゆっくり話すのは久しぶりかもしれない。



「そろそろ寝ようかな」


「うん、おやすみ」


葵が寝た後、一人で夜景を眺めながらワインを飲んだ。

優雅な夜だった。
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