ずっとずっと、そばにいる
そして私は、その時に、二度目の体験をした。
大切な人を失う、訳もわからない悲しみに浸る体験を。
僕が守るよって。
だから、もうこんな悲しい思いはしなくてすむよって。
そう言ってくれた彼。
でも、そんな彼から突きつけられた、現実。
私は、もう悲しい思いをしなくてすむんじゃなかったの?
そのために、あなたが私を守ってくれるんじゃなかったの?
そんな私の疑問に、答えが出ることはないまま、駿は、私の前から姿を消した。
大切な人を失うことは、幸せを失うことなのだと、今の状況が崩れさる事なのだと、私は学んだ。
駿が居なくなって、私は一人であの家庭に耐えていかなくてはならなくなった。
どこにも居場所が無くなるというのは、想像を絶するほど辛いものだった。