ずっとずっと、そばにいる



「芽穂!」

「!」

「芽穂、もういいよ。ありがとう。思い出させちゃって、ごめん」

な、何かが危なかった。

今沙織に名前を呼んでくれなかったら、どうなっていたんだろう。

あぁ、お父さんの事を思い出すといつもこうだ。


結局メロンパンは、ひとかじりしかできず。


……私の体は、何かに怯えるように、カタカタと震えていた。






沙織に相談したあと、体の震えが止まらなかった。

小さい頃の恐怖心は、こんなにも影響を及ぼすんだと、実感した。

その後もずっと沙織が隣についていてくれて、私の体をさすってくれた。

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