ずっとずっと、そばにいる
金属製の階段だから、激しく上ろうものなら金属音が響いて、住民に迷惑をかけかねない。
階段を上りきったところで一息つき、バッグから部屋の鍵を取り出した。
数少ない電灯の下で手探りに鍵を差し込んで、ゆっくりと時計回りに半分回す。
カチャ、という音とともに私はドアノブを回して手前に引いた。
ほんの少しポプリが香る真っ暗な部屋の中に足を踏み入れ、ドアを閉めたところで内側から鍵をかける。
夜は少し怖いから、鍵をかけた直後にドアノブを回してみて、開かなくなったことを確認してから玄関の明かりを灯した。
「ただいまー」
自分自身と家に向けて小さく呟く。
...だめだ、眠すぎる。
本当なら今から洗濯機を回して、その間にお風呂に入りたいところなのだが。
今の私には、もうそんな気力が残っていなかった。
テレビの横にバッグを力なく落とした後、倒れ込むように布団に転がり込み、そのまま眠りについた。