ずっとずっと、そばにいる

あの時、母と口を利くのは何日ぶりだったのだろうか。

緊張と恐怖で私の声は震えていた。


「仕送りしろなんて言わないでしょうね。こっちの負担も考えなさいよ」


タバコを吸いながら私の目を見ることは一切せず、冷たく放たれた母の言葉。

この時、私は改めて自分の母に失望した。

自分にとって利益か、不利益か。

損をするかしないか。

それしか見ないのが、私の母だ。

…私の心配なんて、これっぽっちもしてはくれない。

だから一人暮らしの反対も、金は全部自分でどうにかするから、という理由で押し切った。

自分に金銭的な損がないと理解した母は、それ以上なにも言うことはなく、私の一人暮らしを了承した。


そんなこんなで、それからバイトを始めお金を貯めて、半年後に家を出ることが出来たのは良いものの。

まだ高校生の私がそう簡単に自立できるわけでもなく。

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