ずっとずっと、そばにいる

そしてバックを背負って洗面台へ走り、口の中を1回ゆすいで、そのまま玄関へと走った。

まだ少し歯磨き粉が残っている気がしたけど、知らないことにしておこう。

「いってきまーす!」

だれもいない家の中に叫び、玄関を飛び出た。

戸締まりが完璧なのを確認して、私は学校へと自転車を飛ばした。



桜が舞い散る中で、サラリーマンや小学生とすれ違いながら、立ちこぎで更にスピードを早める。

その桜を見ながら、もう一人暮らしを初めて半年が経つのだと感じていた。

確か、ちょうど一年生の夏休みに引っ越したんだっけ。

ふと我に返った私は、こんな事考えてる場合じゃない、と学校までの道を急いだ。

今日から二年生が始まると言うのに、新学期早々、災難だ。

駐輪場で自転車を停め、生徒玄関へと走る。

自分の下駄箱を開けて、全く洗っていない上履きとローファーを入れ替えた。

かかとを踏んだまま階段を駆け上がる。

息はもうとっくに切れてるなかで教室に入り、そのままの勢いで自分の机にダイブして……

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