ずっとずっと、そばにいる


キーンコーンカーンコーン。

「ま、間に合ったぁ」

ぜぇぜぇと喉を鳴らしながらそうつぶやいた。

「朝から騒がしい!」

と、怒鳴っているのは中沙織(ナカ サオリ)。

普段めったに遊びになんて行けない私の、数少ない友人であり、親友だ。

地毛にしては茶色い髪をポニーテールに結んでおり、スラリと長い脚を持つスポーティな容姿。そのキレイな二重とほんのり色づく唇は、全国の女子の憧れであった。

「お前もーちょい早くこれねーのかよ?」

と馬鹿にしたように笑うのは隣の席の古寺雅人(コデラ マサト)。

短髪を自然な流れに斜めに分けておでこを出している。いつ見ても鼻筋が通っていて羨ましい。しかしお願いだからスパイクは脱いでから教室に入ってくれ。

「無理だって、芽穂は寝坊の神だから」

「お、んじゃ参拝しとこうぜ」

と、私の前で両手を合わせる雅人を殴っておいた。

すると、沙織の口元が『おつかれ』と動いたのが分かった。

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