君がいたから 2
今日も嫌われてもおかしくないことまでしたのに、結愛はお礼まで言ってくれて、微かに笑って、俺の手をギュッと握る。
だけど、何か思いつめたような顔をしている。
最初は痛さからそんな顔になっていると思ったけど、痛み止めが効く頃にも結愛の表情は変わらない。
いつも周りの人のことばかり優先するから、今も辛いの隠しているよな…
一見大丈夫そうに見えても大丈夫じゃないときの顔は、結愛と長いこといっしょにいるうちに、わかるようになってきた。
「結愛、辛くない? 体だけじゃなくて心も?」
「だ、大丈夫だよ 」
一瞬震えた結愛を見逃さない。
逃げるように視線を反らそうとするから、捕えるように無理矢理視線を重ねる。
「それ、本当? 俺の目見て言って 」
「辛いし…本当はいろいろ不安…なの 」
「そっか…体楽になったら全部結愛の話聞いてもいい?」
「うん…いいよ 」
「ありがとう。 ゆっくり休んで早く良くなってね 」
今話を聞きたくても、体力面が限界のはずだから、そっと結愛の目もとに手を置いて、お腹をポンポンした。
そうしているうちに目がトロンとしてきて、結愛が眠ってしまったから、点滴も腕に刺して、採血の結果を見にいった。