君がいたから 2

「蓮、何言っているの?
無理したらダメなんていつも私に言っているのに。今日はゆっくり休んで 」


「今日は大事な日だから、俺が結愛をお祝いしたいの。
だから気を遣わなくて大丈夫だよ 」


「蓮のバカッ。
蓮が辛そうにしているのに、私のために我慢しないで
私は蓮に早く元気になってほしいの 」


大きな瞳を潤ませて、俺をジーッと見る結愛。
これはもうデートするって言っても、結愛が行ってくれないだろう…


「本当にごめん。こんな肝心な時に… 」


「全然平気だよ。誕生日ならまた来年があるし、デートは蓮が体調良くなったら行こう 」


ニコッと笑ってくれる。

結愛だって残念なはずなのに、そんな顔はしない。

ほっこりするくらいの温かい笑顔を向けてくれて、

申し訳ない気持ちにもなっていたけど、

結愛につられてほほえんでしまった。


今日は優しい結愛に甘えて、今度の休みに、

その優しさを倍で返せるようなデートしようって
気持ちも前向きになった。


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