君がいたから 2
「結愛、熱高いから、点滴するよ。
痛いの一瞬だから、頑張ろう? 」
「いや………無理 」
キランと光る針を持つ蓮から遠ざかろうとする。
けど。 蓮に身体を抑えられた。
「見なければ、怖くないからね 」
蓮の言うとおり、針を見ないでリラックスして力を抜いていれば
痛みも減ることも知っている。
でも、それは簡単なことじゃないよ。
特に今日は、久しぶりの点滴で、
怖くて怖くて仕方がない。
「グスン………嫌なのに 」
「やらないと、結愛がもっと苦しくなるから、嫌でもやるよ。よしよし、すぐだからな」
ギュッと抱きしめられてから、腕を固定された。
怖い。 怖いよ。
ヒンヤリとした消毒液がよりいっそう恐怖心を引きたてる。
「チクっ…とするね 」
「グスン…痛いよっ……… 」
蓮の声がした瞬間に腕に痛みを感じて、
涙が止まらなくなってしまった。