君がいたから 2
「息吸ってね 」
口に吸入器が近づけられて、
蓮の言葉と同時に白い粉が出てきた。
吸いたくなくて、顔を避けてしまう。
けれど、蓮にガッチリと固定されてしまった。
「ゴホッ………ハァハァ… 」
「いい子。いい子。ちゃんと吸ってえらいよ。
もう少しだから 」
子どもに話すような口調だけど…、
蓮に優しい言葉をかけられると心が落ちついて
不思議と頑張れてしまう。
「はい、終わり 」
「蓮、ありがとう 」
吸入器が離れると、呼吸がかなり楽になっていた。
「おっ、苦しいことしたのに
お礼言うなんて結愛も成長したね 」
「苦しかったけど、蓮が嫌なことするときは、私を助けるためって知ってから 」
「ハハ…じゃあ、
今から点滴も頑張る? 」
「それは絶対無理 」
プイと顔を反らしてみる。